財政力指数とは 計算式と1.0の意味、全国の分布

財政力指数の計算式

財政力指数は、自治体が自前の税収でどれだけ標準的な行政サービスをまかなえるかを示す指標です。総務省の定義では、基準財政収入額を基準財政需要額で割った値の過去3か年平均と決まっています。

基準財政需要額は、その自治体が標準的な行政を行うのに必要な経費を、人口や道路の延長などの測定単位に単位費用と補正係数を掛けて積み上げた額です。基準財政収入額は、標準的な税率で見込める税収の75%を基本に算定します。どちらも普通交付税を配るために総務省が毎年算定する数字で、自治体が自由に決められるものではありません。

3か年の平均をとるのは、景気や企業の業績による単年の振れをならすためです。したがって、ある年に大きな工場が立地しても、指数に反映されるまで数年かかります。

1.0を超えると不交付団体

指数が1.0以上なら、標準的な税収だけで標準的な需要をまかなえる計算になります。この状態の自治体には普通交付税が交付されず、不交付団体と呼ばれます。総務省の「令和7年度普通交付税の算定結果等」によると、2025年度の不交付団体は都道府県1(東京都)、市町村84の計85団体です。2023年度は77団体、2024年度は83団体でしたから、少しずつ増えています。

ただし、指数が1.0を下回っても、財政が悪いという意味ではありません。地方交付税の仕組みそのものが、税収の少ない自治体に財源を再配分する前提で作られているからです。仕組みの詳しい説明は地方交付税の仕組みを参照してください。

全国の分布の目安

総務省「地方財政の状況 関連資料集(令和7年3月)」の第3表は、2023年度決算時点の市町村1,718団体を財政力指数の段階別に集計しています。

財政力指数 団体数 構成比
0.30未満 525 30.6%
0.30以上0.50未満 449 26.1%
0.50以上1.00未満 671 39.1%
1.00以上 73 4.2%

市町村全体の平均は0.48、政令指定都市の平均は0.83です。半分を超える市町村が0.5未満にあり、1.0以上は全体の4%ほどしかありません。自分の自治体が0.4だとしても、それは全国ではごく普通の位置です。

読むときの注意

財政力指数は、自治体の努力よりも規模と産業構造で大きく決まります。人口が多く企業の事業所が集まる都市は税収が厚く、指数が高くなります。原子力発電所や大規模な工場を抱える小さな町村が1.0を超える例もあります。逆に、人口が少なく山林が多い町村は、どれだけ経費を切り詰めても分母の需要額が小さくならないため、指数は低いままです。

そのため、この指数を使うときは次の点に気をつけてください。

  • 比べる相手は、人口規模が近い自治体にする。政令市と村を並べても意味がない。
  • 指数が高い団体は交付税が減るため、歳入全体で見ると余裕があるとは限らない。
  • 財政運営の健全さを見るなら、経常収支比率や健全化判断比率と合わせて読む。

お住まいの市区町村の値は、このサイトの自治体ページで同規模の自治体と比べられます。都道府県一覧から探してください。

出典

このサービスは、政府統計総合窓口(e-Stat)のAPI機能を使用していますが、サービスの内容は国によって保証されたものではありません。出典: 政府統計の総合窓口(e-Stat)「社会・人口統計体系 市区町村データ」をもとに株式会社フィーノが集計。