地方交付税の仕組み 普通交付税と不交付団体

地方交付税とは

地方交付税は、本来は地方の税収であるべきお金を国がいったん国税として集め、自治体間の財源の不均衡をならすために配り直す制度です。総務省は「地方の固有財源」と位置づけています。どの自治体に住んでいても一定の行政サービスが受けられるようにするための仕組みで、使い道に制限はありません。

財源は国税の一定割合です。地方交付税法で、所得税と法人税の33.1%、酒税の50%、消費税の19.5%、地方法人税の全額と決まっています。

普通交付税と特別交付税

交付税の総額のうち94%が普通交付税、6%が特別交付税です。普通交付税は決まった算式で毎年7月に算定され、各自治体の財源不足額に応じて配られます。特別交付税は、災害など普通交付税の算定に反映できない特別の事情に応じて、12月と3月に配られます。

2024年度の市町村決算では、地方交付税は9兆8,676億円で歳入全体の13.8%を占めました。うち特別交付税は1兆104億円です。

基準財政需要額と基準財政収入額

普通交付税の額は、自治体ごとに次の式で決まります。

普通交付税 = 基準財政需要額 − 基準財政収入額

基準財政需要額は、その自治体が合理的で妥当な水準の行政を行うために必要な経費を、行政項目ごとに「単位費用 × 測定単位(人口や道路延長など) × 補正係数」で積み上げた額です。寒冷地や離島、人口が急減している地域には補正係数で上乗せされます。

基準財政収入額は、標準的な税率で見込める税収の75%を基本に算定した額です。残りの25%は留保財源と呼ばれ、交付税の計算に入れません。税収を増やす努力をした自治体がその分まるごと交付税を減らされないように設けた余地です。

この2つの額の比が財政力指数です。

不交付団体

基準財政収入額が基準財政需要額を上回る自治体には普通交付税が交付されません。これが不交付団体です。総務省の「令和7年度普通交付税の算定結果等」によると、2025年度の不交付団体は都道府県1(東京都)、市町村84の計85団体で、2023年度の77団体、2024年度の83団体から増えています。市町村の不交付団体には、大都市圏の市のほか、発電所や大規模な工場を抱える小さな町村が含まれます。

不交付団体は普通交付税をもらわない代わりに、需要額の算定を通じた国の財政措置の恩恵も受けにくくなります。「不交付だから裕福」という見方は半分しか当たっていません。

臨時財政対策債

交付税の財源が不足するとき、国は不足分を国と地方で折半し、地方負担分を各自治体が臨時財政対策債という地方債で借りる形をとってきました。2001年度に始まった制度で、元利償還金は後年度の基準財政需要額に全額算入されるため、実質的には交付税の後払いにあたります。

ただし、借金であることに変わりはなく、自治体の地方債残高を押し上げてきました。2024年度末の市町村の地方債残高53兆2,133億円のうち、臨時財政対策債を除いた残高は36兆3,443億円です。残りの約17兆円がこの債券です。

2025年度の地方財政対策では、地方税収と交付税の法定率分の増加で財源不足が縮小したことから、臨時財政対策債の新規発行額は制度創設以来初めてゼロになりました。2024年12月25日の総務大臣と財務大臣の折衝で決まったものです。

読むときの注意

  • 交付税は一般財源なので、歳入に占める交付税の割合が高いこと自体は問題ではありません。
  • 人口減少は測定単位の減少を通じて需要額を減らし、交付税を減らします。将来の歳入を見通すときの要点です。
  • 自主財源と依存財源の区分での位置づけは自主財源と依存財源を参照してください。

お住まいの市区町村の値は、このサイトの自治体ページで同規模の自治体と比べられます。都道府県一覧から探してください。

出典

このサービスは、政府統計総合窓口(e-Stat)のAPI機能を使用していますが、サービスの内容は国によって保証されたものではありません。出典: 政府統計の総合窓口(e-Stat)「社会・人口統計体系 市区町村データ」をもとに株式会社フィーノが集計。