人口規模クラスと同規模比較 偏差値の読み方

なぜ同規模で比べるのか

自治体の財政指標は、人口の規模で水準が大きく変わります。財政力指数は人口が多く企業が集まる都市ほど高く、1人当たりの歳出は人口が少ない村ほど大きくなります。議員定数も報酬も人口段階でほぼ決まっています。政令市と村を同じ物差しで並べても、見えるのは規模の差だけです。

総務省も、決算カードとは別に「類似団体比較カード」を公開し、人口と産業構造が近い団体同士で比べる方法をとっています。このサイトでは、より単純に人口だけで区分したクラスを使い、同じクラスの自治体の中での位置を示します。

このサイトの区分

クラス 人口 主な該当例
A 50万人以上 政令指定都市の多く、大規模な中核市
B 30万人以上50万人未満 中核市、施行時特例市
C 20万人以上30万人未満 中核市の下限、県庁所在地の一部
D 10万人以上20万人未満 中規模の市
E 5万人以上10万人未満 一般の市
F 3万人以上5万人未満 小規模な市、大きな町
G 1万人以上3万人未満 町の多く、一部の市
H 5千人以上1万人未満 小さな町、大きな村
I 3千人以上5千人未満 村の多く
J 3千人未満 離島や山間部の村
W 政令指定都市の区 行政区(人口にかかわらず別扱い)

人口は各指標の基準となる年度の住民基本台帳人口を使います。市か町村かという制度上の区分とは一致しないため、人口3万人の町と人口3万人の市は同じFクラスで比べます。

政令指定都市の行政区(W)は、区そのものに財政や議会がなく、市の指標を区ごとに持つことができません。そのため別のクラスとして扱い、財政指標の偏差値は表示しません。

偏差値の読み方

このサイトでは、各指標について同じクラスの自治体の平均を50、標準偏差を10とする偏差値を表示します。計算式は次のとおりです。

偏差値 = 50 + 10 × (その自治体の値 − クラスの平均) ÷ クラスの標準偏差

読み方の目安は次のとおりです。

  • 50なら、同じクラスのちょうど平均。
  • 60なら、平均より標準偏差1つ分高い。データが正規分布に近ければ上位16%程度。
  • 40なら、平均より標準偏差1つ分低い。下位16%程度。
  • 70以上や30以下は、クラスの中でもまれな値。特殊な要因がないか確認する。

注意してほしいのは、偏差値の高低が良し悪しを意味しない指標があることです。経常収支比率は低いほど余裕があり、財政力指数は高いほど税収に厚みがあります。議員1人当たりの人口や議会費の割合に至っては、高い方がよいとも低い方がよいとも一概に言えません。偏差値はあくまで「同規模の中でどの位置か」を示すもので、評価は読む人が指標の意味に照らして行うものです。

件数が少ないクラスでの注意

クラスによって自治体の数は大きく異なります。2026年10月時点の本サイトの区分では、Aクラスは26団体(政令指定都市20を含む)、Bは44、Cは39、Dは146、Eは225、Fは228、Gは445、Hは245、Iは127、Jは193、東京都特別区(T)は23、政令指定都市の区(W)は171です。件数が少ないクラスでは、次の点に気をつけてください。

  1. 平均と標準偏差が、1つか2つの極端な団体に引きずられやすい。原子力発電所のある村が1つ入るだけで、財政力指数の平均は大きく動きます。
  2. 偏差値の差が、実際の値の小さな差を大きく見せることがある。標準偏差が小さいクラスでは、値のわずかな違いが偏差値10の差になります。
  3. 順位の方が直感的に分かりやすい場合がある。件数が20程度のクラスでは、偏差値と合わせて「何団体中何位」を見てください。

また、Jクラスの村とAクラスの市では、同じ「財政力指数0.3」の意味がまったく違います。偏差値を比べるのは同じクラスの中だけにしてください。クラスをまたいで比べたいときは、偏差値ではなく元の値と、その指標の制度上の意味に戻る必要があります。

データの出どころ

財政指標は総務省の決算カードと地方財政状況調査、議会の指標は全国市議会議長会と全国町村議会議長会の調査、選挙の指標は総務省の地方選挙結果調と各選挙管理委員会の公表資料をもとにしています。各自治体ページに、使ったデータの年度と出典を記載しています。

お住まいの市区町村の値は、このサイトの自治体ページで同規模の自治体と比べられます。都道府県一覧から探してください。

出典

このサービスは、政府統計総合窓口(e-Stat)のAPI機能を使用していますが、サービスの内容は国によって保証されたものではありません。出典: 政府統計の総合窓口(e-Stat)「社会・人口統計体系 市区町村データ」をもとに株式会社フィーノが集計。