供託金とは
供託金は、立候補の届出をする人が、候補者1人につき法務局などの供託所に預けるお金です。公職選挙法第92条に定められており、現金の代わりに同額以上の国債証書を供託することもできます。立候補の濫用を防ぐための制度で、一定の得票に届かなかった場合には没収されます。
公職選挙法92条の金額一覧
| 選挙の種類 | 供託金の額 |
|---|---|
| 衆議院(小選挙区選出)議員 | 300万円 |
| 衆議院(比例代表選出)議員 | 名簿登載者1人につき600万円(小選挙区との重複立候補者は300万円) |
| 参議院(選挙区選出)議員 | 300万円 |
| 参議院(比例代表選出)議員 | 名簿登載者1人につき600万円 |
| 都道府県知事 | 300万円 |
| 都道府県議会議員 | 60万円 |
| 指定都市の長 | 240万円 |
| 指定都市の議会議員 | 50万円 |
| 指定都市以外の市の長(特別区長を含む) | 100万円 |
| 指定都市以外の市の議会議員(特別区議を含む) | 30万円 |
| 町村長 | 50万円 |
| 町村議会議員 | 15万円 |
町村議会議員の15万円は、2020年の公職選挙法改正で新たに導入されたものです。それまで町村議には供託金がありませんでした。同じ改正で、町村の選挙にもポスターやビラなどの公費負担が条例で認められるようになり、供託金はその見返りの位置づけです。
没収の条件(公職選挙法93条)
得票数が次の基準に達しないと、供託物は没収されます。国政選挙では国庫に、地方選挙では当該自治体に帰属します。
| 選挙の種類 | 没収となる得票の基準 |
|---|---|
| 衆議院(小選挙区) | 有効投票総数の10分の1未満 |
| 参議院(選挙区) | 有効投票総数 ÷ 通常選挙におけるその選挙区の定数 ÷ 8 未満 |
| 都道府県知事、市区町村長 | 有効投票総数の10分の1未満 |
| 都道府県議、市区町村議 | 有効投票総数 ÷ その選挙区の議員定数 ÷ 10 未満 |
たとえば定数20の市議会議員選挙で有効投票が5万票なら、没収点は 50,000 ÷ 20 ÷ 10 = 250票です。首長選挙は定数で割らないため、有効投票5万票なら5,000票が没収点になります。
比例代表の供託金は、政党等の当選者数に応じた額との差額が没収される仕組みで、候補者個人の得票では判定しません。
立候補の届出を取り下げた場合、立候補を辞退した場合、届出が却下された場合も、同じ条文の準用で供託物は没収されます。「出馬表明だけして取り下げる」という使い方はできません。
公費負担との関係
没収点は、供託金が戻るかどうかだけでなく、選挙運動の公費負担を受けられるかどうかの分かれ目でもあります。公職選挙法第141条第7項のただし書により、自動車やポスター、ビラの費用を公費で負担してもらえるのは、供託物が没収されない候補者に限られます。没収点に届かなかった候補者は、公費負担分を自己負担することになります。
返還の時期
没収に当たらない場合、供託物は選挙の後に供託所から返還を受けます。返還には選挙管理委員会が交付する証明書類が必要で、具体的な手続と時期は各選挙管理委員会が立候補予定者向けの説明会や手引きで案内しています。
読むときの注意
- 供託金の額は国政と地方、首長と議員で大きく違う。同じ「市」でも指定都市かどうかで変わる。
- 没収点は有効投票の総数と定数で決まるため、投票率が高いほど高くなる。
- 没収された供託金は、地方選挙では当該自治体の収入になる。
お住まいの市区町村の値は、このサイトの自治体ページで同規模の自治体と比べられます。都道府県一覧から探してください。
出典
- e-Gov法令検索「公職選挙法」第92条(供託)、第93条(供託物の没収)、第141条(自動車等の使用) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC1000000100
- 総務省「公職選挙法の一部を改正する法律概要」(令和2年改正、町村議の供託金導入) https://www.soumu.go.jp/main_content/000693361.pdf
- 港区選挙管理委員会「立候補するには」(供託金の額と没収の基準の例示) https://www.city.minato.tokyo.jp/senkan/rikkouhosuruniha.html
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