自主財源と依存財源 自主財源比率の読み方

自主財源と依存財源の区分

自治体の歳入は、誰が決めるかという観点で自主財源と依存財源に分けられます。自主財源は自治体が自らの権限で調達できる収入、依存財源は国や都道府県の決定や、借入に頼る収入です。

区分 主な科目
自主財源 地方税、分担金・負担金、使用料・手数料、財産収入、寄附金、繰入金、繰越金、諸収入
依存財源 地方譲与税、各種交付金、地方特例交付金等、地方交付税、国庫支出金、都道府県支出金、地方債

これとは別に、使い道が自由かどうかで分ける一般財源と特定財源の区分があります。地方交付税は依存財源ですが一般財源で、国庫支出金は依存財源かつ特定財源です。2つの区分は軸が違うので混同しないでください。

主な科目の位置づけ

  • 地方税: 市町村民税、固定資産税、都市計画税などで、自主財源の中心です。2024年度の市町村決算では21兆3,331億円、歳入の29.9%を占めました。
  • 使用料・手数料: 公共施設の利用料や証明書の発行手数料など。額は小さいものの、条例で自治体が決められる収入です。
  • 地方交付税: 国税の一定割合を財源に、財源不足額に応じて配られます。2024年度は9兆8,676億円、13.8%です。仕組みは地方交付税の仕組みを参照してください。
  • 国庫支出金: 生活保護や児童手当、公共事業など、国が使い道を決めて出すお金です。2024年度は13兆2,849億円、18.6%で、市町村では地方交付税より大きな財源です。
  • 都道府県支出金: 都道府県が市町村に出すお金で、国庫支出金を経由して渡す間接補助金も含みます。2024年度は4兆9,825億円、7.0%です。
  • 地方債: 施設の建設などのために借りる長期の借入金です。2024年度は4兆5,278億円、6.3%でした。

以上を合計すると、2024年度の市町村歳入71兆3,998億円のうち、地方税と地方譲与税、各種交付金、地方特例交付金等、地方交付税を合わせた一般財源は36兆7,491億円で51.5%です。

自主財源比率の計算と読み方

自主財源比率は、歳入総額に占める自主財源の割合です。決算カードの歳入欄で、上の表の自主財源の科目を足して歳入総額で割れば求まります。比率が高いほど、国や都道府県の判断に左右されずに運営できる余地が大きいといえます。

ただし、この比率は自治体の努力よりも規模と立地でほぼ決まります。人口が多く企業が集まる都市は地方税が厚く、比率が高くなります。人口の少ない町村は、税収が小さい分を地方交付税で補うため、比率は低くなります。比率が30%の町村と60%の市を並べて優劣をつけても意味がありません。

読むときは次の点に注意してください。

  1. 同じ人口規模の自治体と比べる。全国平均との比較はあまり役に立たない。
  2. 繰入金と繰越金に注意する。基金を取り崩した年は自主財源が膨らみ、比率が上がって見える。
  3. 寄附金(ふるさと納税を含む)も自主財源に入る。2024年度の市町村の寄附金は1兆3,331億円で前年度比12.9%増えており、特定の町村では歳入の相当部分を占める。
  4. 依存財源が多くても、地方交付税は使い道が自由な一般財源である。依存財源の多さと財政の不自由さは同じではない。

税収の厚みそのものを見たいなら、自主財源比率より財政力指数の方が規模の違いを織り込んでいて使いやすい指標です。

お住まいの市区町村の値は、このサイトの自治体ページで同規模の自治体と比べられます。都道府県一覧から探してください。

出典

このサービスは、政府統計総合窓口(e-Stat)のAPI機能を使用していますが、サービスの内容は国によって保証されたものではありません。出典: 政府統計の総合窓口(e-Stat)「社会・人口統計体系 市区町村データ」をもとに株式会社フィーノが集計。