市議会議員の報酬と定数 相場と決め方

報酬は条例で決まる

地方議会の議員には、地方自治法第203条に基づいて議員報酬が支払われます。額と支給方法は条例で定めることになっており、国が一律に決めているわけではありません。多くの自治体では、首長が特別職報酬等審議会に諮問し、その答申をもとに条例改正案を議会に出す手順をとります。

報酬月額の相場

全国市議会議長会の「市議会議員報酬に関する調査結果(令和6年12月31日現在)」によると、全国815市(東京23区を含む)の平均報酬月額は、議長52.2万円、副議長46.1万円、議員42.6万円です。人口規模別の議員の平均は次のとおりです。

区分 市数 議員の平均報酬月額
指定都市 20 78.7万円
特別区 23 61.4万円
50万人以上(指定都市・特別区を除く) 7 64.2万円
40〜50万人未満 15 62.4万円
30〜40万人未満 29 60.0万円
20〜30万人未満 40 54.4万円
10〜20万人未満 144 46.7万円
5〜10万人未満 234 40.4万円
5万人未満 303 33.9万円

人口が多いほど報酬は高く、指定都市と人口5万人未満の市では2倍以上の差があります。中核市は人口20万人以上なので、おおむね50万円台から60万円台の区分に入ります。

町村議会については、全国町村議会議長会の「第69回町村議会実態調査結果の概要(令和5年7月1日現在)」で、議員の平均報酬月額は21万8,218円、議長は29万6,006円です。人口5万人未満の市の議員と比べても10万円以上低く、これが町村議会の担い手不足の一因と指摘されています。

期末手当と政務活動費

地方自治法第203条第3項により、条例で定めれば議員にも期末手当を支給できます。第69回町村議会実態調査では、6月の支給を行う町村が98.9%、12月が99.8%で、ほぼすべての町村が支給しています。年間の支給率は平均で月額の3.47か月分です。市でも同様に大半が支給しており、年収を見るときは月額報酬の12倍に期末手当を加えて考えます。

政務活動費は、地方自治法第100条第14項に基づき、議員の調査研究その他の活動に必要な経費の一部として、条例により会派または議員に交付されるものです。交付の対象、額、使える経費の範囲はすべて条例で決まり、収支の報告と議長による透明性の確保が義務づけられています。町村では交付している団体が200町村(21.6%)にとどまり、交付しない町村の方が多数です。

定数の決め方

市町村議会の議員定数は、地方自治法第91条により条例で定めることになっています。かつては人口区分ごとに法定の上限が定められていましたが、2011年の改正で撤廃され、現在は各自治体の判断です。定数の変更は原則として一般選挙のときにしか効力を持たず、任期の途中で増減できるのは境界変更で人口が著しく増減した場合に限られます。

全国市議会議長会の調査では、2024年12月31日現在の815市の定数は合計18,733人で、1市あたり平均23.0人です。人口段階別の平均は、5万人未満16.8人、5〜10万人未満20.4人、10〜20万人未満25.4人、指定都市58.3人です。町村の定数は第69回町村議会実態調査で合計10,807人、1町村あたり平均11.7人でした。

定数と報酬は、議会費の大部分を決める要素です。歳出全体の中での位置づけは議会費とはを参照してください。また、定数の削減は町村で無投票当選が増える背景の一つにもなっています。

読むときの注意

  1. 報酬月額だけでなく、期末手当と政務活動費を含めた年間の額で比べる。
  2. 同じ人口規模の自治体の平均と比べる。人口5万人の市と指定都市を並べても判断材料にならない。
  3. 報酬の引き上げや引き下げは、議会の審議の質や担い手の確保と一体で議論する。

お住まいの市区町村の値は、このサイトの自治体ページで同規模の自治体と比べられます。都道府県一覧から探してください。

出典

このサービスは、政府統計総合窓口(e-Stat)のAPI機能を使用していますが、サービスの内容は国によって保証されたものではありません。出典: 政府統計の総合窓口(e-Stat)「社会・人口統計体系 市区町村データ」をもとに株式会社フィーノが集計。